久々にポップンやったら微妙に思い付いたのでかきなぐってみます。
基本的に意味分からん\(^o^)/死亡
「ずっと、待ってたのかな、」
その深紅の瞳は悲しい色をしていた。ティーカップの中でくるくると揺れる紅茶が大きく波を立てる。
彼の口許はいつもとかわらず上にもちあがっているものの、笑顔と呼ぶには遠すぎた。
「ユーリは400年ぐらい寝てたよ。でも300年過ぎた頃からもう数えるのが面倒になってさ、もっと寝てたかも。」
ひひ、といつものように笑った。
だがそれもちがうようで。
「アッス君が来たのはユーリが起きる3年ほど前。本当につい最近。」
俺はここに来て早くも10年近くなる。狼もそれなりに長命なのだが彼らは遥か上回るのが聞いてとれる。
スマイルが静かにティーカップをテーブルへと戻した。
「突然お城に来たからびっくりしたよ。でも凄く嬉しかった。何百年も、独り同然のお城暮らし。
覚えてるかな?ものすごい埃と蜘蛛の巣が出来たこの城を一週間で綺麗にしてくれたこと。」
あぁ、よく覚えている。
出迎えてくれたスマイルも眠っていたんじゃないかってほど埃まみれだった。ばたばたと掃除してまわる俺をスマイルはソファーに座ってぼうっとして見ていた。
「本当に、嬉しかったんだ。
君が来てくれて。それまではユーリしか待ってなかった。
もしかすると、本当は、君を、」
『待ちわびた幸福を手放すとき』
アッシュとスマイル
スマイルが消えそうだ←
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冷たい風が後ろから髪を撫でた。同時に上から声が降る。
「やぁ、アッシュ君。」
「神、」
浮かせていたその身をくるりと翻して猫のように音も無く眼前に着地した。
「MZDって呼んでくれねぇかな…。」
「長いんスよ。」
そう言って抱えていた買い物袋の中から林檎をひとつ取って神に投げた。
「サンキュ。
なぁ、お前を送るがてら空中散歩しねぇか?」
「……流石にこの格好じゃ無理じゃないっスか?」
今は人間型であって決して軽くはない。寧ろ俺は筋肉質なほうだ。
神がさっき受け取った林檎を後ろへ投げる形で影の口に放り込んだ。
「そうだよな、お前犬になんねぇとなぁ。」
「犬じゃねぇっスよ…。満月でないと…。」
空を見上げれば細い月だった。満ちるにはほど遠い。
「満月ならなれんの?」
「えっ、まぁ……。」
「じゃあ満月作ればいいだけだな。」
「……はい?」
簡単に言ってのけた彼を凝視してやった。そんな俺を見て彼はにまっと笑った。
「俺を誰だと思ってんの、神だぜ神。」
そう言うや空に人差し指をかざした。ぐるりと円を描くなり綺麗な月が浮かぶではないか。
見た途端体中の血が騒ぎだし視点が低くなった。
神はぐるんと体ごと振り返り狼姿の俺を見下ろした。
「我ながらカンペキな満月!」
「星たちが困るんじゃないっスか?そんな勝手に月なんか増やされて。」
「心配すんな、明日には消えてるって。」
神らしい、やはり簡単に言ってのける。
「よし、行くか!」
そして俺は抱えあげられた。荷物は影に持ってもらって、どこまでも深い空へととんだ。
(3ω3)
アッシュと神
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